先日、セミナー参加者から上記の質問をいただきました。
ヒトは新しいことや慣れないことに取り組むときにストレス・抵抗を感じます。
スタッフが積極的にミーティングに参加するようになるためには、自発的に取り組むようになること、つまり、「スタッフのモチベーションアップと動機づけ」が必要です。
具体的にどのように実施したらよいか?について解説します。
その1 ビジョンミーティング
ミーティングには、ビジョンミーティングと改善ミーティングがあります。
ビジョンミーティングは、医院の方針や院長の想いを共有するためのミーティングです。
改善ミーティングは、ビジョンミーティングの内容を実現するために具体的な問題点や施策等を話し合うためのミーティングです。
まずは、ビジョンミーティングを開催しましょう。医院の目標をスタッフ全員で共有化し、そのために「改善ミーティングを実施すること」を方針として提示します。医院の目標計画は測定できるように数値で示しましょう。(例:自費率5%増加、営業利益500万円/年増加など)
ビジョンミーティング開催のポイント
新しいことに取り組むためには、タイミングも重要です。新年1回目のミーティングや新入社員入社後などフレッシュな気持ち、前向きな気持ちになりやすい時期を見計らってビジョンミーティングを開催すると効果的です。
その2 目標達成による報酬付与
とはいえ、ビジョンミーティングで計画・目標・方針・想いを伝えただけでは、なかなかモチベーションアップとなりません。
それだけでは「スタッフにとってのメリット」がないためです。院長先生は経営者、スタッフは従業員であるため、働く目的が異なります。自発的に物事に取り組んでもらうためには、メリットが必要です。
スタッフにとってのメリットとは、「ビジョンミーティングで計画・目標を数値で示し、目標達成したら報酬を与える」ということです。「メリット≒報酬」と考えると分かりやすいと思います。報酬は金銭や休暇、物品、権限など色々なものが考えられます。
最も分かりやすく、実行しやすいものは金銭面です。目標の達成度合により賞与として還元するというものです。売上高に応じた人件費の変動費化ということになり、経営的にも安定します。(給与で調整すると、目標達成できなかった場合に人件費率が大きくなり、経営上のリスクが増加します。また、減給する必要性も出てくることから、スタッフのモチベーションが著しくダウンし、離職・退職につながってしまうためお勧めしません。)
どの程度報酬として還元するかについては、社労士・税理士の先生と相談して決めて下さい。いくつかのパターンで設定することになると思います。
例:目標達成度(50%、100%、150%など)に応じた還元額、特に貢献した人や年功を考慮した配分割合、など
その他、スタッフと院長先生の関係が良好であれば、全社員で海外旅行に行ったり、高級な食事に行ったりすることも考えられます。
また、スタッフ全員に関する平等なメリットと考えると、権限は除外したほうがよいでしょう。(付属的なものとして付与するのはよい。例:毎年よくやってくれて頼りになるためリーダーに任命するなど)
その3 目標と実績の報告
目標に対して、現在どの程度達成しているか、どのような結果になったかをスタッフに伝えることが大切です。(ここを実施していない歯科医院が多くあります。)自分たちの取り組んだことが医院経営にどの程度貢献したのかを必ずフィードバックしてください。
まとめ
スタッフをミーティングに積極的に参加させるためには、モチベーションアップ・動機づけが必要です。
そのために実施することは、
- ビジョンミーティングを開催し、計画・目標・方針・想いを伝える。
- 目標達成度合いに応じ、報酬を与えることを宣言する。
- 目標と実績の状況・結果をフィードバックする。
です。
当然、どう考えても現実離れした目標数値の設定は逆効果になりますので、根拠を明確にして、達成可能な目標としてください。
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医院の経営改善のためにはミーティングは不可欠だと思います。スタッフに積極的にミーティングへの参加を促すためにはどうすればよいですか?