【事例】キャンセル対策を実行に移すまでの流れ

歯科医院に限らず、美容室やホテルなども悩まされるキャンセル・・・。

キャンセルを減らすためにミーティングでどのように話し合い、対策を立てていって成果をだしたのか、その事例をお伝えいたします。

1.事前調査・整理

まずは、ミーティングで話し合う前に、受付に下記のキャンセルの状況を教えてもらいました。

  • 毎日の予約数(1ヶ月分)
  • キャンセル数(電話キャンセル、無断キャンセルそれぞれ)
  • 毎日のキャンセル率(キャンセル数÷予約数×100)

それらをエクセルで整理。

私が関わっていた医院では1日の平均患者数は60人。キャンセル数は平均して17%ありました。

エクセルで整理した数字をグラフ化し、資料を作成して、ミーティングの1週間前に全員に配布して、ミーティング当日までに一人、問題点と案を最低1つずつを考えるように伝えました。

2.問題点の整理と効果的な対策の選択

ミーティング当日に、以下のことをまず伝えました。

  • キャンセルが増えていること
  • キャンセルが増えるとどうなるのか
  • キャンセル率の目標を10%以下にすること

その後、一人ずつ問題点と案を発表してもらい、ホワイトボードに整理していきました。

キャンセルする人には大きく分けて2種類います。

  1. 急用ができて来れなくなった
  2. 来る日を忘れている/気が進まない

1の「急用ができて来れなくなった」には、予定外の仕事や用事が入った、体調が悪くなったという理由でこれは致し方ないキャンセルです。どうしても5%くらい発生してしまいます。

この理由ではほとんど方が事前に電話連絡をしてきてくれます。

2の「来る日を忘れている、気が進まない」という心理でのキャンセルは、そもそもの歯医者にいく優先度やモチベーションが低い方が大半です。

こういった方はよく無断キャンセルをされます。(中でも「来る日を忘れている方」は、そりゃ無断キャンセルになりますよね、、)

キャンセル対策において頭悩まされるのはもちろん、2の理由の方をどうしていくかです。

無断キャンセルについて、スタッフからは以下の案がでてきました。

  1. SMS(ショートメッセージ)を送る
  2. 予約時間を10分過ぎたら連絡を入れる
  3. キャンセルポリシーを作り、患者の目に着くところに貼る
  4. 衛生士を担当制にする
  5. 初診時にキャンセルについての説明をする

もっと数が欲しい場合は一人2案ずつとかにすれば、多くの意見を吸い上げることができます。

経営では「ヒト・モノ・カネ」の資源をいかに効率的、効果的に使うかが求められます。

続いてこれら対策を実行するにあたって、どれが時間や費用コストがかからず、かつ効果が高いかをみんなに尋ねながら整理していきます。

そうしてみんなの意見から出来上がった優先順位は

高い順から、③ → ⑤ → ② → ④ → ①

になりました。

SMS(ショートメッセージ)を送るについては、忘れやすい人には効果が高いが、コスト(SMSは1通あたり数十円)がかかるし、システムが必要なので、今回は優先度を下げました。

すぐに実行に移せそうで、コストもほとんどかからない③⑤②に絞ってやることにしました。

3.アクションプラン(実行計画)の作成

先ほど絞った③⑤②の案についての実行責任者と期日をはっきりさせていきました。

③はAさんが○月△日までに実施する。

⑤はBさんが○月□日までに作成し、○日までに全員が説明できるようにする。

②はCさんが今日から実施する。

アクションプランの肝は、責任者と期日を明確に決めてコミットメントをしっかり取ることです。

ここをなあなあにしてしまうと、誰かがやるだろう、となってしまい、いつまでたってもことが進みません。

4.アクションプランと成果の確認

次回ミーティングまでに、アクションプランがどこまで進められたのかと実施してどう成果がでたのかをはっきりさせました。

アクションプランの確認については、Aさん、Bさん、Cさんにどこまでやったのかを聞けばいいだけです。

注意すべきことは、予定通りに進んでない場合は、なぜ進んでないのか、相手を責めないことです。そういわれたら人は色んな理由をつけて言い訳をします。

「なぜ」ではなく、「どうしたら進めれるか」を聞きましょう。

後は「やったことが成果につながっているか」の確認です。

今回はキャンセル率の低下につながったかが成果になります。

アクションプラン実施後の以下の数字を調べていきました。

  • 毎日の予約数
  • キャンセル数(電話キャンセル、無断キャンセルそれぞれ)
  • 毎日のキャンセル率(キャンセル数÷予約数×100)

すると実施後半月でしたが、それまでのキャンセル率平均17%が14%に!

そして、1ヶ月後には12%になりました!

この結果をミーティング内でスタッフ全員に発表することにより、自信につながってきます。

もし成果が思わしくない場合は、同じことをしばらく続けてみるか、案の④と①のアクションプランを作って実行に移していくことになります。

5.最後に

どの医院も悩まされるキャンセル患者への対策のやり方について、ミーティングを活用してどう実施していくかわかってもらえましたでしょうか?

ミーティングをうまくやるには、司会=ファシリテーターの役割となる人が重要になります。

回る会議では、ミーティングがスムーズにいくように、色んなツールを使っています。

ツールについては現在、無料で配布していますので、気になる方は下記からダウンロードしてみて下さい。

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